海外端末の日本語対応状況についてよく聞かれるので、ここにまとめておきます。

Windows Phone にはいくつかの地域・言語設定がありますが、大きく分けると次の2種類があります。
- 画面要素に関係する「表示言語」
- 文字入力に関係する「入力言語」
最新バージョンである Windows Phone 7.5 では、「表示言語」と「入力言語」の両方が日本語に対応しました。しかし話はそう簡単ではありません。
たしかに、日本語変換やカーブフリック入力を含む「入力言語」については、全端末が日本語に対応しています。そのため Windows Phone 7.5 端末を購入すれば、ひとまず日本語の入力については問題ありません。
一方、「表示言語」として日本語を含むかどうかは、メーカーやキャリアによって異なります。もし表示言語に日本語が含まれていない場合、OS のメニューを日本語化することはできません。また、「Yu Gothic」フォントが含まれないため、日本語対応アプリであっても、2バイト文字が中華フォント表示になります。
中華フォントが気になる人にとっては、なかなか切実な問題といえるでしょう。
メーカーやキャリアによる違いとは?
IS12T は日本国内向けということもあり、表示言語として日本語に対応しています。これは問題ありません。
よく分からないのは、海外で販売されている Windows Phone 端末が表示言語として日本語を含んでいるかどうかという点です。しかしいくつかの理由により、この実態を把握することが困難になっています。
たとえばこちらは Nokia Lumia 710 です。左は CES 会場に展示してあったもので、日本語を含む様々な言語に対応していることが分かります。しかし右の T-Mobile USA 版では、英語・スペイン語・簡体中国語の3つにしか対応していません。

ヨーロッパ・アジア向けのモデルは日本語に対応していますが、アメリカの T-Mobile 向けモデルは日本語に対応していません。これは T-Mobile USA の要求によるものと思われます。
では、購入前に店頭で確認すれば大丈夫なのかというと、必ずしもそうではないのです。
こちらは Samsung Focus Flash です。左は CES の Microsoft ブースにあったもの、右側は AT&T ストアの展示機です。同じ AT&T 版なのですが、言語設定がまるで異なります。

しかし実際に端末を購入すると、日本語に対応しているようです。つまり AT&T ストアは実際に販売している端末とは異なるものを展示しているわけです。
これは展示機の ROM に原因がありそうです。

ビルド 7739 という、一般にはリリースされていない ROM を使用しています。店頭展示用の特殊な ROM なのかもしれません。
以前に Samsung USA のサポートに問い合わせた際の回答では、米国で正式にサポートされるのは「英語とスペイン語」とのことでした。つまり日本語を含むその他の言語については、Samsung や AT&T からサポートを受けることはできないものの、オマケとして入っているという状態といえます。
とはいえ、AT&T のすべての端末に日本語が入っているわけではありません。
左は AT&T 版の HTC TITAN 4G ですが、なんと英語にしか対応していません。これは Samsung 端末とは大きく異なります。
右は T-Mobile USA 版の HTC Radar 4G ですが、ドイツ語・英語・スペイン語・フランス語・イタリア語の5つに対応しています。これは3言語のみだった Lumia 710 と異なります。

左は中国語に対応して日本語に対応しない Acer Allegro、右は日本語と韓国語に対応して中国語に対応しない LG E906 です。ただし市販の ROM かどうかは不明。

このように海外端末の日本語対応はカオスともいえる状況です。どうしてこうなったのか問い詰めたいところですが、いくつか思い当たる原因はあります。
真っ先に挙げるべきは Windows Phone の仕様です。これは世界各国・大小さまざまなキャリアのサポート体制や、さまざまな価格帯の端末の ROM サイズに対応するためともいわれています。しかしメーカーやキャリアに任せるという仕様そのものが混乱のもとになっていることは否めません。
次に Windows Phone 自体が海外でもマイナーな存在であり、キャリアの従業員やショップ店員が「表示言語」と「入力言語」の違いを正確に理解していない点も挙げられます。店頭でその違いを指摘して、初めて気付くようなレベルです。
最後、これらの端末は基本的に海外向けであり、それが日本語に対応しているかどうかは、海外の人々にとって相対的にどうでもいい問題というのも原因のひとつです。Windows Phone の専門家によるレビューでも、表示言語について言及されることはめったにありません。
今後については、日本マイクロソフトによるさらなるプッシュにも期待したいところですが、Tango で120の言語に対応するというのは朗報かもしれません。全端末が120言語に一斉対応すれば、OS 側の問題は一気に解消するでしょう。もちろんその場合は、キャリアやメーカー、アプリ開発者の負担が増えないような形で追加されるのが理想といえます。
追記: 台湾の Windows Phone ブログ I Love Windows Phone 7 の Jenny さんから、写真をいただきました!
HTC Radar と TITAN ですが、いずれも「英語・繁体中国語・簡体中国語」の3言語対応となっています。

一方、Lumia 800 と Lumia 710 は日本語・中国語を含む多くの言語に対応しています。私が持っている UK 版の Lumia 800 も同じ仕様です。












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